六甲タヌキを待つ銀のリングなどない

富士ヒルシルバーまであと47秒

ネタが無いので本の話 壬生義士伝 下巻 浅田次郎

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吉村貫一郎を探す旅は、斎藤一の物語から、続きます。
憧れと憎しみは表裏の関係。貫一郎の生きざまに憧憬を抱きながら、決して認めることが出来ない斎藤の叫びが悲しいです。

 

そして、旅は南部藩の人々に。

吉村の最後と、残された、いや、続いて行く人たちによって、南部藩の魂は紡がれていきます。

 

読後感がとても良い小説でした。

良いように、作者に泣かされるのは、ちょっと癪ですが、巧く、面白いとしか言えない。

 

批判は出来るのかも知れませんが(ちょっと貫一郎の神っぷりが…)
貫一郎に関わった人たちとの、とても満たされた時間を過ごせました。

 

…で、この語り部(記者)って何者?
と言うどーでも良い疑問だけ残るのでした。

 

ベストセラー嫌ったらアカンな。

 

オマケ

なんかデジャブ感あるなとおもってたら、物語構造とか、キャラ造形とか「永遠の零」と似てるんや。

そんで調べたら、パクリだかオマージュだか、一杯…。

オリジナルの方を後から読んで良かった…のだろう。(永遠の零のことはすっかり忘れてたので。)

ちなみに更に吉村貫一郎のもとネタは子母澤寛の『新選組物語』「隊士絶命記」らしいです。

水木しげるも、劇画近藤勇でこのネタを使ってます。こちらも新撰組ものでは面白いです。