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ネタが無いので本の話 我が友、マキアヴェッリ3 塩野七生

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政治の表舞台から期せずして放り出されてしまった失意のマキアヴェッリ

 

政治への復帰を目指して、著述活動に入ります。外交官時代からの書簡が名文であったマキアヴェッリは、政治の技術を著作で示すことで政治の世界に復帰しようとしますが、その有能過ぎるところ、当時からすると革新的な思想のどちらもがフィレンツェには手に余るのか、復帰はならず、こまづかい程度にしかされません。

 

しかしこの不遇あればこそ、歴史に残る「君主論」「戦略論」が残されるのだから、作家と言うのは因果なものなのかもしれません。

 

また、収入の為とは言え、喜劇や悲劇の脚本も書き、ヒットさせてしまうのは作家としてジャンル選ばずな才能があったのでしょう。

 

残された手記からは、鋭い分析眼とフラットな思考を持っていたとは言え、マキャベリズムと言う冷徹なイメージから、イメージの離れた陽気な普通人である本質もかいまみえます。

 

マキアヴェッリは政治の世界に舞い戻ること無く、亡くなります。本人にとっては不遇な晩年でしたが、彼の著作から学んだ政治家が活躍していく様を見てどうおもってるでしょうか。

 

なかなか重たい&予備知識(チェーザレ位しか読んでない)無いので厳しい3冊でしたが、マキアヴェッリに対するイメージがガラッとかわる本でした。

 

ルネサンス期は名前やら国家間の関係性ややこしいので避けてましたが、最近の中世研究の進展の面白さ含めて、興味深く読めました。

 

西洋史興味あるならおすすめ。


予備知識で、塩野さんのチェーザレ本や、カトリック本読んでからかも知れませんが。