文スト好きの娘さんに、太宰さん好きなら読んでみたらと進めたので、改めて読んでみました。
あらすじや評論などは書き尽くされているので、書きません(書けません…)が、歳を重ねたら重ねたなりに、沸き上がる感情の違いを体感出来るのが読み継がれる名作たる由縁だと改めて思いました。
昔読んだときは、道化としての姿を醜悪とストレートに感じていたが、改めて読むと自分を含め世間はそんなもんであるが、敢えて気づかないようにしている姿であったり。
拒否できない態度は、同調圧力に対して仕方がないと思うことだったり。
そのような目を瞑っていることに、しっかり目を開け、(自分自身を)否定せざる得ない厳しさ、狂おしさをガツンと感じました。
良い小説の定義は、感情を揺すぶられることだとすれば、歳の積み重ねに見あう、揺さぶりをかけられたのでしょう。
一気に読めるが、やはり太宰治は(クスリのように)効くと久々に体感しました。
しかしながら女子中学生に進めるのは、ちと早いかな…。
ちなみに読んだの集英社文庫版でしたが、こんな新世界の神チックなキャラならこんな話にならなかったのに…