文ストの太宰さん表紙版(角川文庫版)だったため、帰省するときの娘様へのネタで借りたのだが(しかし娘様は江戸川さん押しだったようだ…)
登場人物の誰一人として感情移入できない不思議な小説(解説で角田光代も若いときははそうであったと書いていた。小説の精緻さがわかるようになったときに改めて読むととも書いておりましたが、自分はその次元には当然届いていないので…)
滅びの美しさとか説明もありますがピンとこず。純文学読み能力の低さがまたもや露呈。
そして後半の上原とのくだりに至っては全く共感できず、理解もできない。んで突然マルキシズムだ、デカダンスだ虚無主義だといわれても…。
戦後の混乱と高度急成長期の間に挟まれた退廃的な時代背景や、文化・観念の断絶、とか空気感が染み込んでないとわからないのだろうか…。
それでも投げ出さずに読み切らせてしまうところが、名作の名作たる由縁、作者のパワーなんだろう。
古典は読むことにいろいろスペックを求められますが、少なくとも太宰読みスペックがまだまだ足りないのを痛感。
出直してきます。