歴史の新書でベストセラーになった「応仁の乱」の呉座勇一の本。
作者は、研究者としてより、最近いろいろゴシップで見かけましたが、歴史本としてはなかなか良かった。
最近の中世史研究の良いとこどり「ひとの褌」と作者は卑下してますが、中世史をコンパクトに見通すのはとてもわかりやすかった。
蒙古襲来で平和ボケから叩き起こされた武士階級が、ながながと続く内戦により、安定思考から家を守るサバイバル思考に切り替わっていくありさま。
戦後史学に根付いてしまった階級闘争史感を外して資料から紐解く生き残るのに必死な武士の様。
キレイな戦争よりも、汚い平和を目指す人々。
とても生々しく、中世史を概観できるいい本でした。