承久の乱の著者で、鎌倉殿の十三人の歴史考証の方です。
承久の乱は後鳥羽院視点に対して、北条氏してんで鎌倉幕府成立期を考察するのが本書の立ち位置だそうだ。あと源氏将軍断絶と言う源家の視点の一冊を交えて三部作なのだそうで。
まさに時政、義時視点の本書。ドラマとほぼ同時代をなぞり、歴史学上での北条家を論じます。
曽我物語、平家物語、吾妻鏡、貴族や僧侶の日記、訴状などの大量の文書のデータから矛盾や忖度を除いて事実に近づけるのが歴史、特に中世史の今の手法らしいです。
それでステロな役柄を取り払われた人物像が面白いほどドラマでの人物造形(ドラマなのでソコにキャラ付けしますが)に近いのが、三谷脚本恐るべしでした。
義時をアンチヒーローにするため陰謀としている処も実際はもっとなりゆき的な義時であると思われるのも面白いと思いました。
今回の大河が好きな人はとても面白い一冊です。