芥川賞取った、ピース又吉さんの小説。芥川賞とったメジャーな小説はあまり読まないのですが、最近のジャンルに制約を設けない方針で読む。
売れない芸人徳永が熱海のイベントで出会った先輩神谷に伝記を書くという条件で弟子入りする。天才的であるが人間味溢れる神谷に徳永は心酔していき、また神谷も徳永に笑いを伝授しようと入れ込んでいく。
しかし、二人をとり囲む世間はそのような純粋さに対して近寄ることが無く…。
書評は世の中にいくらでも出てますが、個人的な感想として、面白かった。
徳永の立ち位置は、芸人に対する飽くなき望みはあれど、あくまでも普通人。
読者は天才はもちろん、秀才にすらなれない彼に感情移入します。
そして、徳永と共に決して理解できない神谷に対して、憧れと恐れを持ちながら普通に生きられない悲しみも感じていきます。
読みながら、笑いの感情、悲しみの感情、いとおしい感情など複雑な状況を楽しめました。
…って結構べた褒めやん。
勢いとかで押切る荒さもあるものの、現役芸人って言う話題性がフィルターになって読んでない人は読んでみたほうがいいかな。
関西弁苦手な人は読みづらいか。