六甲タヌキを待つ銀のリングなどない

富士ヒルシルバーまであと47秒

ネタが無いので本の話 国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて 佐藤優

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佐藤優の本を好んで読み始めたのは、どうも2015年だった。

そのわりには、一番の代表作の本作は初見。多作な著者であるため、結構当たり外れ(同じような内容な事多し)あるんですが、この本は一番おもしろかったかも。

事件、法廷小説として、とても面白い。著者の専門的だが、わかりやすい(国会議員に理解してもらう訓練のたまものなのかな)文体は、ハラハラしながらも知的好奇心を刺激されます。

本人が達観しすぎてる感ありますが、それは本人の資質なのでしょうか?

佐藤優鈴木宗男ロシア疑惑は今となってはかなり昔の話で、当時はムネオハウスラスプーチンやらのキーワードをニュースで垂れ流していた印象しかなく、いつの間にかわすれられてましたが、あまり事実に興味がありませんでした。
しかし、対ロシア政策の大幅な後退が、なんかよくわからん権力闘争でなされてるのは、複雑な感じです。

作者のプロとは何かと言う考えと、仕事柄の複眼的な思考はとても面白いのだか、自分に取り込むには…むずかしいね

情報の人間としての流儀はこの後の「諜報的生活の技術」に繋がっていきますが、こうやって磨かれていったのかと読み取れるのは面白い。

組織人としては、「組織の掟」の原点とも読めます。しかし、本人はしかたないと思ってるのはなんともなぁ。

勝ち目の無い戦いですが、自分の納得する(国益として)落とし処へと組織から切られても戦い抜く
このようなプロとしての矜持をもち、歴史が評価できるように裁判を戦う。

もう、ファンタジーやね

そんな態度も物語チックでワクワクするんだろう。

熱いポリティカルサスペンス好きならおすすめです。

ちなみに、佐藤さんは人相は強面なので、テレビ受けはしなかったろうな…(´Д`;)