カルタゴ、マケドニアを滅ぼし名実ともに地中海世界の覇者となったローマ。
しかし、カルタゴのハンニバルが残した予言の通り、敵は内部に発生します。
成長に着いていけない内部からの内臓疾患のように混乱が拡がります。
この巻ではハンニバル戦争の結果、巨大な権力を得た元老院を中心とする権益者と、ローマを支えてきた周辺のローマ連合や、非権益者の軋轢が、敵を失ったゆえに表面化します。
グラックス兄弟、ガイウス・マリウスがこの巻の主役ですが、かたや純粋な問題意識、かたや緊急時の必要性でこの問題にあたり、討たれたり、失脚したりします。
その結果、ハンニバルすら壊せなかったローマ連合の結束が崩れる事態にまで進展します。