六甲タヌキを待つ銀のリングなどない

富士ヒルシルバーまであと47秒

ネタが無いから本の話 ローマ人の物語18 悪名高き七生皇帝たち2 塩野七生

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現代再評価され名君に格上げされたティベリウスですが、当時はカプリ島に隠遁し権力を持ち続けることからゴシップのネタになり皇帝伝(結構ゴシップよりの歴史書?)では青髭ジル・ド・レ(それもFateZEROの)ぐらいなサイコ野郎で記述されているのはひどいとしか言いようがない

 

そんな民衆にも元老院にも不人気であったティベリウスも最後の時が来ます。この人は最後まで律義に、アウグストゥスの血縁主義を守るため、アウグストゥスの地を引く、カリグラを時期皇帝に立てます。

 

そんなティベリウスのあとを継いだカリグラは24歳の初代皇帝の地を引く美しい若者、厳格でサイコ野郎のゴシップまであった前皇帝からの引継ぎを、世間は喜びで迎え入れます。

しかし彼には政治というものを理解する時間も師もいなかったのでした。

カエサルアウグストゥスティベリウスのように打たれ磨かれた結果皇帝となったものと違い生まれながら皇帝になったカリグラ。

また民衆を見ずに不人気となった先代の皇帝を(本質をとらえず)見て育ったことから、短絡的な人気取りの政策に邁進します。

 

まさに道を踏み外したYoutuberのようにその散財的な人気取り政策は常軌を逸していきます。その結果ティベリウスの治世で黒字化した財政は悪化の一途。

外交面も様々な問題をはらんでいきます。

 

そして4年の短い治世でバブルがはじけるように人気は落ち込み、さらに子飼いの近衛兵に暗殺される衝撃の結末を迎えてしまうのでした。

 

見せかけの人気のみに振り回される恐ろしさは今も昔も変わりませんね。